農薬は必要?

無農薬で野菜を育てているのであれば農薬を使わない理由がそれぞれの農家にあるはず。

そんな農薬について私の考えをまとめてみました。

最後までお読みいただければ幸いです。

農薬の危険性とは


・「安価」「即効性」「残効性」
この三つを兼ね備えた殺虫剤が、農薬といえばと言われるぐらい有名な農薬、DDTです。

毒性自体は特別強いものではありませんでしたが、とにかく大量に使われたことからその毒性が強く世に広まりました。

レイチェルカーソンの沈黙の春

有機農家であれば知っている、農薬の環境に対する悪影響を訴え世論を動かした有名な一冊。

DDTといえばこの写真が有名ではないでしょうか。

IíŒã—¯’“ŒR‚ªx2IíŒã—¯’“ŒR‚ª•úo‚µ‚½‚c

シラミ駆除のため、直接頭にDDTをかけられている様子。
※今現在国内で製造、使用はありません。

・名張ぶどう酒事件(テップ剤=殺虫剤)、パラコート連続毒殺事件(パラコート=除草剤)etc…
農薬を使った事件が多く発生したのもあり、農薬=毒というイメージが人々に強烈に刷り込まれていった時代でもあります。

・戦後の食糧難を乗り切るために何とかしようと国が考え、健康面よりもまずは空腹を満たすことを優先とした結果としていろんな農薬が人体に悪影響を及ぼしたことは間違いありません。

ここまで農薬の悪い面ばかりをクローズアップし、お昼のワイドショーのような伝え方をあえてしてみました。

農薬は本当に悪なのか?


・完全な悪と認識されてしまった殺虫剤のDDTですが見直される動きもあり、WHOによってマラリア感染症の予防にDDTが使えるということがわかったからです。

今まではDDTを広く散布していたので人体、その他動物にも多大なる影響を与えていましたが、壁にスプレーで少量を散布(壁に止まった蚊が死ぬ)し限定的に使用することで、蚊を媒体にしたマラリア感染症を防ぐことができるとわかりました。

マラリアと聞いたらアフリカを想像される方が多いと思いますが、アフリカの国々を中心に毎年3億人がマラリアにかかり、100万人を超える人々が死んでいます(スリランカでは1963年には患者が年間110人にまで減ったものの、使用禁止になり1968年には患者数が100万人を超えたとされている)。

・日本でもDDTはシラミ駆除に用いられましたが、結果として推定200万人にも及ぶ人命が発疹チフス(シラミが媒介、致死率10~60%)から救われたとの報告もあります。
農薬工業会HPより一部抜粋

・農薬には食料を大量に供給できるというメリットが大いにあり、それによる健康被害と天秤にかけた結果農薬を使うという選択を今までしてきました。
それが現代の食糧事情を支えております。

全く農薬を使わないとどうなる?


「今のように野菜の流通はできなくなり、収量が確実に下がり値段が上がる。」

農薬はちゃんと量、使用方法を守れば私たちに大きなメリットをもたらします。

塩だって醤油だって少量だから美味しく健康的にいただけるのであって、大量に摂取すれば塩は致死量30〜300g、醤油は168〜1500mlと言われている毒。

それが農薬に変わると微量でも農薬は毒、絶対NGというのは極端です。

農薬が今の野菜の流通を支えており、そのおかげで1年中トマト、きゅうり、じゃがいも、玉ねぎが1年中食べることができます。

これらを農薬なしで支える事は非常に難しいでしょう。

農薬を使わないと言う事は非常に不安定な環境に置かれるということ。

それらがどのように社会へ影響するのかと言うと、生産量と販売価格だと私は思います。

価格も不安定、生産量も不安定となったときに今のレベルの値動きではない状況に消費者は耐えられるのでしょうか?

有機野菜の栽培では旬を大事に考えますが、それは農薬を使わない栽培では旬に沿って栽培するということが農薬を使わずに栽培する上では非常に大切だからです。

それを可能にするために農薬が必要であって、その点をしっかりと一般の消費者たちが知っていれば農薬は確実に今よりは少なくなるでしょう。

国家主導の強力な流れを作るということであれば可能かもしれませんが、市場に任せていたのではニーズがある=儲かるからやるという今のような販売流通になってしまいます。

農薬も進化している


「奇跡のリンゴ」で農薬が危険だと知った若い世代も多いはず。

家族が農薬で健康を害したことをきっかけに農薬を使わない栽培方法を模索し始め、不可能と言われた無農薬でリンゴを栽培するまでの実話。

しかし現在使われる農薬は当時とは比べ物にならないほど進化し、農薬を使用しても速やかに分解され無害になるものが大部分です。

それに使用した作物が収穫されて、消費者の元に届くまでの間には消失してしまうように計算されております。

40年前の車と現在の車、建物、医療など、世の中にあるものほとんどが当時と比べ物にならないほどの進化を遂げておりますが、農薬だけは40年前と変わらずにそのままというのはあまりにもおかしい。

農業生産者が使用方法を守り正しく使えば、必ずしも農薬=毒ではありません。

まとめ


一方の悪い面だけをクローズアップするのはとてもわかりやすい構図であり、そのほうが注目されるからです。

農薬もクスリと一緒で使用方法を守れば私たちにとって多くの利益をもたらしてくれますが、使用方法を一歩間違えば私たちの命を脅かす存在(毒)となります。

私が無農薬で野菜を作ることが出来るのは、大量に野菜を栽培してくださる農家がいてくれるからこそ。

皆が飢えているときに、
「虫に食べられたとしてもしょうがない、それが自然ですのでみなさん諦めてください。」
なんて言える人間がいますか?

目の前だけを見れば、環境に悪いから農薬を使わないという選択もできますが、広い目で見てみるとどうでしょう?

農薬があって空腹に悩まされることもなくなり、美味しさへもう一方からのアプローチとして無農薬栽培があると考えてもらいたいと私は思います。

こちら↓も合わせてどうぞ。

有機野菜は美味しさへのアプローチ

虫食いは安心安全,美味しさの証だ!!

美味しいとはなんだろう

今のようにいろんなものを消費者が選択できる状況こそが健全で、0か100か、イエスかノーかの単純な答えを求めるのはやめて、農薬を使うことによるメリット、デメリットのバランスを一番に考えるべきではないでしょうか。