新規就農の心構え2019年度版

新規就農を決めてもう5年以上経つのかな?

当時と今とでは大きく状況が変わってきました。

そんな新規就農者の置かれた立場がどのように変化していったのか、書いていきたいと思います。

給付金について


私が就農した当時は青年就農給付金(新規就農の手引き(有機農家ver))でしたが、現在は農業次世代人材投資資金と名を変えております。

当初給付金は、一定金額以上農業所得があると給付金も減額されました。

しかし現在では100万円以下に限り満額の150万円を支給。

100万円以上の農業収入があれば下記計算式により算出されます。

交付金額(350万円-前年の所得)×3/5

例えば前年の所得が150万円の場合、(350万円-150万円)×3/5=120万円

一点とても気になったのが、農業所得ではなく所得と記載されていること。

正直にいって、農業だけでサラリーマンの平均年収を超えるのはとても難しい。

周りの新規就農者は他の農家でお手伝いをしたり、バイトをしたりで生活を保っています。

その収入を含めるとなると・・・

私の契約では農業所得となっておりますので、これから新規就農を考えている方はしっかりと担当者に聞いてください。

給付期間と営農期間


私が給付金を受けた当時の条件と今の条件で、一番恐ろしいと思う変更点はここです!

以前は給付金支給が終わってから1年間は農業を続けてくださいね、という条件だったのですが、今は支給期間と同等期間農業を続けないと返還対象となる。

これはとてもリスクを負うものとなっています。

極端な話ですが、以前であれば6年間営農を続ければ返金義務は負わずにすみました。

しかし今は10年間営農を続けなければいけません!

これは人生においてとても大きなターニングポイントとなります。

例えば23歳で給付金を支給されたとすると、33歳まで農業を続けなければいけなくなったということ。

当然途中で離農したら返金ですから、今の給付金制度であれば私は受けないと思います。

農業を営むということは起業するということですよ!!

例えば飲食業などは3年で9割が廃業ともいわれており、同等に扱ってはいけませんがそれほど起業して生活を保つのは難しいと思ってください。

一般の人がこの期間縛られるのはとてもリスキーで、サラリーマンとして生きていきたいと思っても難しいでしょう。

この点を強く意識して給付金を受けないと、あなたの人生は大きく変わってしまいますよ!

給付金受給者の現在


まず私ですが、農業だけで食べていくことは(現段階)到底無理です。

2017年ぐらいにはまだいけるかなという思いはありましたが、2018年の天候不良は私にとってはとても厳しい現実を突きつけられた年でもあります。

1か月半という長い期間雨が降りませんでした。

多治見市において過去10年間こんな環境はありませんでしたし、東海地域においては私と同等に苦しんだ農家がたくさんいます。

師匠にも話を聞きましたが、非常に厳しくお客様のオーダーを制限したと言われました。

それでは露地ではなくハウスで作ればよいと思われるかもしれませんが、2017年は冷夏だったのを覚えていらっしゃいますか?

ハウスといえども太陽がでていなければ何も意味はありません。

実際に知っている先輩農家のうち生き残っているのは20%ぐらいでしょうか。

野菜を作って売っているだけでは食べていけないのが現状です。

野菜を作って売るだけでは、サラリーマンの平均年収を超えることなど夢のまた夢でしょう。

今後の農業


今後も世界規模で天候不良が襲ってくると考えるのが自然でしょう。

2017年の台風は過去まれにみる大きさと強さで、私のハウスも被害を受けました。
もうこの大きさの台風はそうそうこないだろうと考えていた私。

2018年はその台風を超え、2017年に耐えた山間部にある私のハウスの一部を破壊しました。

私自身が今後生き残る道は、野菜のクオリティを上げて単価を上げていくという道。

先日聞いた先輩農家の話ですが、2018年はニンジン農家にとっては厳しい年だったようで栽培が上手くいかなかったみたいです。

そこを補うべく本来ニンジンを作っていたエリアで葉物を作ったようで、その結果が市場価格の崩壊。

既存の葉物農家でバランスがとれていた地域に大量の葉物が持ち込まれた結果、市場に持っていっても値段がつかない(実際1円はついたみたいですが・・・)。

この市場に参入したら、私のような一人農家は冗談ではなく死にますよ。

露地栽培をしている農家さんはこれからどんどん減っていくと思う、というよりもある点を超えたタイミングで一気に減ると思いっています。

それは現在の農家さんの高齢化と同時に次世代が育っていないから。

そのタイミングで大きく伸びると私が思っているのは(植物工場の可能性(有機農業とAI)(F1と遺伝子組み換えとゲノム編集と野菜)ですね。

これらへ本格的に移行するタイミングはそう遠くないと思っています。

どうぞ新規就農を目指す皆様、自分の人生をしっかりと考えたうえで慎重に答えを出されることを願います。

私は満足していますけどね♪

困難な壁にぶち当たっては悩み、解決したと思ったら次は違う悩みが出てきて・・・

そんな人生が好きなんですよね(*^^)v