新規就農者の置かれた状況

新規就農者の置かれた状況について、これはベテラン農家では語れない私自身がリアルタイムでお話できることだと思います

新規就農とは?


(コトバンクより)
農家世帯員のうち調査期日の前々年の就業状態区分が「勤務が主な人」と「学生の人」で、過去1年間の普段の就業状態が「農業が主な人」になった者

その立場である私が新規就農者について思う点を書いていきます(過去一年間の普段の…という点が引っかかりますが)。

資金面について


現在は青年就農給付金となる助成金があり、これらを受け取るには自治体によって差がかなりありますが、よっぽどじゃなければ誰でも受け取ることができます。

年間150万円支給され、農業所得が増える毎に段階的下げられていきますが、問題は一生懸命働けば働くほど給付金が減るという点。

農業で150万円の所得を稼ぐにはかなり大変なんです

中には変な考え方をする人も出てきますね。

ただそういった考え方を持った人が生き残れるほど優しい業界ではないので、給付金リミット5年が経った後は自然と消えていくことでしょう

給付金の考え方


受け取ることにより覚悟が弱くなり、結果就農失敗に繋がるのではないかという精神論に近い意見。

これは上記の農業所得に関係した給付金システムともリンクしてきます。

しかし私の考え方は、貰えるものはありがたく頂戴し、それらでより早く農家として自立することが大事じゃないかなと。

分かりやすく言うとトラクターも買えずに手押し耕運機でひたすら汗を流すことが良い事なのか(流した経験がありますのでこれは言ってもいいでしょう)、私はそこに重要性を見出せません。

農家にとっての一年はとても短く、一年で一回しか野菜作りを経験できない


春のキャベツ、夏のトマト、秋のサトイモ、冬のブロッコリーetc。

時間がとにかく足りず、農家として10年キャリアがある人でも10回しか経験していません。

とにかく時間(経験)が大事だと私は思っているので、お金で時間を買うという感覚に近いものがあり、何よりも優先すべき点だとも思っております。

自己資金の是非ですが、これもお金を貯めてから就農する、しないでは時間がもったいないとしか思わないので、自己資金がなければ銀行に融資してもらう(普通じゃ厳しいと思いますが)なり誰かに融資してもらうなり、何とかなる!

「でも…だって…。」この言葉が頭にすぐに浮かんだ人は起業しない方が良いと思います。

青年就農給付金はカンフル剤


本来農家として自立できていた人にとってはより成長スピードを上げるカンフル剤として効果はありますが、本来なら離農するべきレベルの人が延命できてしまい、その結果5年後そういった人たちが問題になると今から言っておきます。

当然自分自身に向けた言葉でもありますが、そうならないよう努めておりますのでご安心を。

農地について


その地域で1番と言っても良いほど条件が悪い農地しか借りれません。

私の場合は水捌け極悪、周りの人は「良くあんなところで野菜が育つな、感心するわ。」と私の畑を見ては呟きます。

経験も実績もない新規就農者には悪い土地しか回ってこないのはしょうがない部分もあり、実際挫折する人が大半じゃないかと。

ただ私のような有機農業を志す人にとって耕作放棄地が悪い条件とは思わないので、メリットとも言えます。

こちら↓もどうぞ。

水捌けなんて昔の話

しかしそのような環境で自立できる人でないと、新規参入者が将来的に上手くいくはずはないので、良いフィルターとしての役割をもっているのかもしれません。

販路について


農協を通すわけではないので自分で開拓する必要があります。

販売先を個人にするか、法人(飲食店)にするのかで話は大きく変わってきますが、まず個人の場合どのように販売するのか。

対面販売は集客が見込めるが毎回出店料がかかります。

宅配であれば送料がとにかく高く、販売価格に転嫁されるのでより消費者には近寄りがたい存在に(参考:有機野菜はなぜ高いのか)。

そしてなによりホームページを作りましただけじゃ誰も見ないし買わない(有機野菜の需要)。

そんなホームページが山ほどある中から自分のホームページを見てもらうのは至難の技。

今までずっとネットで販売してきた人が当然強いので、そこに追いつくためにはその人の何倍もの努力をしても追いつけるかどうかわからない。

飲食店に関してはこだわりを持ったシェフしか買わないですし、こだわりを持ったシェフに買ってもらうのは当然ながら至難の技。

国が1日でも早くしなくてはいけないこと


新規就農者の一人として言いたいことは、ずっと変わらずこれだけ『農地法の厳罰化』。

農地法に違反している所有者に名ばかりの罰則ではなく、厳罰化

とにかく土地を先祖代々守っているという意識(マッカーサー、農地解放で検索)からか、手放すこともせず、手放そうにも法外な値段を提示する。

なぜもこうもやる気のある人の足を引っ張ることしかしないのか、私には理解できません。

自分さえよければそれで良いという考え方は卒業しませんか。

畑に出て生き物と野菜の共生を一度見て感じてください。

いつか自分たちの首を絞めることになるという事実に気づくはずです。

Pay it forward.


私が大好きな言葉です。

今は何も持っていない私ですが、私を支えてくれている全ての人が私にしてくれたことを次へ渡していきます。

一人ぐらいこんな奴が周りにいてもいいんじゃないですかね♪