有機、無農薬、減農薬、無化学肥料、無肥料・・・どこまで理想を追い求めるのか

有機、無農薬、減農薬、無化学肥料、無肥料、有機農家たるもの理想は人それぞれ

私は喘息なので自分の体や自然に優しい農業を第一としておりますが、理想を追い求めるがゆえに本末転倒な状況に陥っていると感じた実際のケースを交えながらお話します。

有機農業を志す人には純粋な人(自分で言うのもなんですが)が多いと思いますが、就農する前は自分の理想とする農業を思い浮かべては心躍らせるのが当たり前かと思います。

しかし、それが本当に幸せなのかと思うところがありました。

お金は悪いもの


純粋に私は農業がしたい、そこにお金という無粋な話をしないでほしいという人。

他に収入や不労所得があるのであれば全然良いのですが、貯金もほとんどない人がみんなのためにと野菜を一生懸命作って安売りに落ちていく…

より良いものを作るには当然投資(お金)が必要になります。
お金がなくても私は美味しい野菜を作っていると言われるかもしれませんが、1,000円の売上にいくらの時間をかけていますか?

自分の時間を無制限と考え働いているのであれば効率化出来る作業は効率化を進め、その時間を他に割いたほうがより多くのお客様に応えることができるのかもしれません。

安売りとは麻薬みたいなもので、一度安売りをしてしまうとなかなか抜け出すことは出来なくなります。

自分の野菜を必要以上に安く見積もり、生活を困窮させ自分の子どもに農家は辞めておけ、または子どもから農家には絶対にならないと言われる

私はそんな事で農業から遠ざかる人を見ると、何とも複雑な気持ちになります。

お金は悪いものではなく、人生を豊かに過ごすためには必要なものですので、必要以上に毛嫌いするのでも必要以上に欲することでもなく、自分やお客様にとってはどのラインがベストなのかを考えた上で各々が上手に付き合っていけばよいのではないでしょうか。

〇〇農法じゃなければならない


最初は理想を語るのは当然、何も知らないからそれでよいと思いますし、私も声を大にして言い続けております。

しかし、現実が見えてきたときに理想を追い求めるあまり、身動きが取れなくなることも。

私も最初は農薬を徹底的に排除する考えが第一にあり、いつの間にか栽培方法にとてつもない縛りを作っていました。

これもだめ、あれもだめ、だめだめ尽くし、そうなると農業をすること自体がとても苦しくなってきます。
最初は農業が好きでやりたいと思って始めたはずなのに。

私がそのとき言われたのは、本当にお客様が求めているものを考え、自分の中にラインをひくこと

冒頭でお話した方は無肥料栽培にこだわっており、堆肥はもちろん肥料も使わない。
そして農業資材も極力使っていないのか雑草との戦いに疲弊しておられました。

有機農業は雑草との戦いでもあるので、いかに効率よく作業を回転させられるかで疲労の度合いも大きく変わってきます。

そこに体力を使いすぎたのか、体が悲惨なことになってしまい辛いといっておられました。
私は自分の体に優しい生き方を選択したつもりです。

その方が今の行き方を望んで選択されたのであれば何も思いませんが、そんな心情を吐露するあたり、自分でも思うところがあるのでしょう。

平井農園を見学したいと以前こられた方は自然栽培をされていたのですが、マイナスな事は何も言わず、話し合いの中でお互いの良いところを掛け合わせ、こうしたらよい、こうしたほうが面白いなど、どんどんアイディアが生まれてきました。

後ろ向きな農業が楽しいのかな?


挨拶のように、農業はしんどい、きついと言われるのは好きじゃありませんし、師匠からそんな言葉を投げかけられたことも記憶にありません。

上手く出来なければ出来るように考え実行するだけです。

経験が多ければ多いほど、今までやってきたことを捨てるのはとても難しい。
しかしこれをスパッとリセットすることが出来る人もいます。

リセットとはいっても、今までの経験と新しい知識を良いバランスで組み立てなおし、より良いものを作り出せる人。

5年後、10年後に私がそのような人間になれているのか不安ですが、そのときの私宛にこの言葉が届けばよいと思っております。

駆け出しの私が生意気なことばかりを言っていますが、今しか感じられない思いや考えがあるはず。

そんな今を大事にしながら明日へ繋げていきたいと思います。

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