農協は悪なのか?

TPPの話が上がると決まって農業がクローズアップされ、TPPに反対している農協職員の写真や映像が多くマスメディアに流れました。

これを見た方は「既得権益を守るためにごねているだけ!」、「農業だけが守られているのはおかしい、もっと競争にさらされるべきだ!!」と思われる方も多いのではないでしょうか。

そんな私もそう思っていましたが、非農家出身で限りなく農家から遠かった現在農家が実際はどうなのか考えていきます。

農協(JA)ってなに?


JAは、組合員の参加と結集を基本に事業・活動を行う組織です。具体的には、農業生産に必要な肥料や農薬等の資材を共同で購入 したり、農畜産物を共同で販売したりしています。JAの組合員である農業者は、消費者でもあり、日常的な生活資材の提供も行なって います。また貯金、貸出などの信用事業や、生命、建物、自動車等の共済事業、高齢者福祉、健康管理、旅行など幅広い事業を 展開しています。

とJA全中のホームページには書かれております。

その始まりですが、戦後の食糧難の時代に農家はヤミ市場にコメを流します(政府に米を集めるよりも市場に出したほうが高く売れるから)。

そうなると貧しい人の口に米が届くことはなくなり、餓死者を多く出すことになってしまう。

そんな事態を避けるべく米が届くように政府は農協(を作り)を使って、コメを政府へ集めようとしました。

そんなこんなで約60年、今に至ります。

実際にJAと付き合ってみて


JAに入らないと村八分に合うという地域があるかどうかはわかりませんが、多治見では一切そんなことはなく、平井農園では苗を育てる育苗培土という土を定期的にJAから買っております。

それは普通に買うより安かったからで、会員でも何でもない私が普通に電話して送料もかからず自宅まで届けてくれるという、意外に便利なんですね。

安ければ買うし、高ければ他で買うということが当たり前にできるので、普通のお店と変わらない感覚で私は付き合っております。

そんなんでJAという組織が成り立つのか、疑問に思いませんか?

直接は聞いていませんのであくまで想像ですという前置きをしておきますが、JAという組織は株式会社ではないので、JA全中のホームページに書かれている通り農家を相互扶助の精神のもとに農家の営農と生活を守り高め、よりよい社会を築くことを目的に組織された協同組合なんです。

極端な話ですが株式会社では赤字店舗があったとしたら当然閉鎖しますよね。

利益を目的とした組織で利益を出せなければ存在価値がありません。

農協はあくまで共同組合なので利益を目的としてはいない(結果として儲かってはいますが)という点が大きく、本来の農家をサポートするという立場では儲からなくても銀行、保険、ガソリンスタンド(これは儲かってないかも)などで得た利益でしっかりと全体が運営できていれば問題ないはずです。

本来であれば農家をサポートする立場で利益を出せればよいのですが、多治見の新規就農者は私が知っている限りここ数年で一人だけ。

そんな農家がいないエリアでもサポートしてくれるのは凄いと思います。

民間でしたら何度も言いますが、とっくに閉鎖。

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2025年問題と農業

農地はもう終わりだよ

JAの存在意義


農家の競争を阻んでいる悪、冒頭で述べた既得権益だというのであれば、それらすべてを民間(株式会社)が補えるのか考えてみてください。

まず多治見エリアでは儲からないから撤退します。

そうしたら民間が頑張るんだろうと思いますが、私が畑を借りている地域の農家の約53戸(兼業含む)のうち40%が70代。

10年後には体がしんどいと言って農業から離れていきます。

ここ数年で私は1人しか新規就農者を知りませんので、このペースでいけば3年間で私含め2名の増加。
リタイア組を上回るのは現実的ではないです。

単純に町にある肥料の需要が40%減ったとすると、売り上げも単純に40%減りますから民間は閉店するでしょう(私ならそう判断します)。

ネットで買うから別に問題ないと言われてはそれまでですが、話はそこにとどまらず閉店するということはその町の雇用が一つ失われることですので、単純に過疎が進むということにもつながります。

これで少しわかるかと思いますが、JAが担っている部分は田舎であればあるほど大きく、利益優先の民間ではこの穴を埋めることはできません。

これはJAが行っている事業すべてに言えることだと思います。

ただその問題と最近ニュースを騒がせた、コストコが運営しているガソリンスタンドのガソリン価格。
周りと比べても格段に安かったので、公正取引委員会が廉価販売をやめなさいと言った件ですが、これって今回の話と似てませんか。

そういった意味合いも含んでいるので、JAが絶対だとは思っておりません。

食料の流通について


私たちは生きる上で食料が必ず必要になります。

その食料が安定して、求めやすい価格(高いという意見はありますが、餓死するなんて今の時代はほぼないでしょう)で提供されているのもJAの貢献が大きいところで、もしJAではなく民間でということになると、一番困るのが田舎の方たち。

商売にならなければ当然そんなお店は閉店ですから、本当に田舎の方は自給自足しか生きる術がなくなってしまいます。

食料という必ず必要なものが携帯と同じよう(完全にカルテル結んでるでしょ…)すべて民間に任せたと想像してみてください。

こんなことを書くと反発されると思いますが、国民に安定して食料を供給するという大義名分がなければなんでもやると思いますよ。

絶対になければいけないものですから、そこを民間に委ねる怖さがあります。
(TPPで食料は本当に安くなる?)

現実的ではないと言われるかもしれませんが、過疎化が進む田舎が切り捨てられ、そこに海外の方がコミュニティを作ったとしたら、今度は国防にも関わってきますから。

まとめ


JAは弱体化の一途をたどっていますが、それらが私たちの生活にどう影響しているのかわからないのは都会の人に多いと思います。

しかし、田舎では人々の生活を支えている場合が多い。

そして田舎を切り捨てるという行為が既得権益はダメ!というあまりにもくだらない理由だけで批判されることは決してあってはならず、食料含め大変重要な部分を担っていると私は思います。

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農薬は必要?