有機農業との出会い

『よし、農家になるぞ!!』

農家になるのを決心したときは有機農業と言われてもよくわからず、「有機野菜」という言葉を聞いたことがあるぐらい。

それまで興味もありませんでした。

行政が行っていた新規就農者向けの夜間ゼミ、ここでは当然のように慣行農法での講座ばかり。

それと栽培の基礎、全国の農家のモデルケースや農薬、肥料に関することを学びました。

わかったのは「農業は儲からない。」という事実だけ。

岐阜県に載っている野菜農家(主にニンジン)は広さ3.4ha、東京ドームの0.7個分(逆にわかりにくいかも)で所得は約420万円。

ここで問題なのは総労働時間が5,566時間…

サラリーマンの平均年間労働時間は1850時間と言われておりますので、約3倍。

ということは労働人数は3人分ですので、一人分にすると恐ろしい数字が出てきました。

農家は働いても働いても儲からないとは耳にしておりましたが、まさかこれほどとは思いませんでした。

まさに清貧と言われる所以

ここまでは全く有機農業との接点は全くありません。

どこで有機農家になろうと決めたかというと、初めて農業体験をさせていただいた農家さんが有機農家だったということが全てだと思います。

今まで畑というものに触れることがなかった人生でしたので、雑草を抜くという行為すらしたことがありませんでした。

馬鹿にされると思いますが初めて雑草を抜いた時、「農家になるしかない!」そう思ったんです。

今までの人生で自分から土に触れようと思ったことは一度もなかったのに、雑草を抜いただけで感動とはなんとも人生はわからないものです。

毎週休みには(この時はまだサラリーマン)ここの有機農家さんへお手伝いとして通いました。

通うのにもガソリン代はかかりますし、休日は潰れますが最高に楽しかったのを覚えております。

今まではエアコンの下で四季をほとんど感じずに生きていた人が、炎天下の日陰もない畑のど真ん中で汗水流している。

知りもしない有機農業の世界へ

有機と名が付くものは本でもwebでも何でも毎日ひたすら調べ続けました。

基本的な農法はあるのでしょが、これといった答えがない世界。

農家さんでも栽培方法は全く違い、畑を耕す人、耕さない人、肥料をあげる人、あげない人など細かいことを上げたらキリがないぐらい十人十色。

そこも私にとってはとても魅力的でした。

完成(というものがあるのかわかりませんが)しているとは言えない有機農業界では「今日の常識が明日の非常識。」。

またその逆も当然あるわけで、これは面白い世界だとのめり込みました。

そこに新しい可能性を考えただけでわくわくしてきませんか?

新しい世界は次々にやってくる、そんな驚きと発見を楽しみながら有機農家として一歩ずつ前進していくのみです。